わしはサンタクロース。歳は…歳は…歳は……永遠の18歳……
さすがに長生きし過ぎて忘れてしもうた。
まぁ、そんなわしにも悩みがあるんじゃ。聞いてくれんかのぉ。
「ここ最近、物が豊かになって、子供達のプレゼントが多様化して困るんじゃ。昔はお人形かプラモでも置いておけば皆喜んだんじゃが…わしもお財布的に喜んだんじゃが…最近は、ゲームが欲しいじゃ、ブランド物が欲しいじゃ、流行りの服が欲しいじゃ、全く金のかかるもんばかりじゃ。わしのお財布が悲しんでおる。
そういえば、もっと困るもんもあったのぉ…現金とか世界平和とか。わしの力で世界平和になるんなら世の中戦争はおきんわい。
そんなこんなで、子供達の喜ぶ顔見たさに頑張っておるんじゃが、何分金がかかってのぉ…実はあと10件分のプレゼントが買えとらんのんじゃ。金が足りんで。だから、日雇いか3・4日のバイトで10万近く稼げるバイトないかのぉ。」
「なんでおいらにその話するんっすか、サンタの旦那。このやり取り、この時期になると必ずやってますよ。いい加減、財布の状況考えてプレゼント買ってくださいよ。」
「なんじゃい、なんじゃい!シュールストレーミングの缶詰工場で働いた金だけじゃぁ足らんのじゃ。」
「じゃあ、仕事を変えれば良いじゃないっすか。」
「今不景気じゃろ。何処がこの老いぼれを新たに雇ってくれるんじゃ…」
「さっき、冒頭で永遠の18歳とか…」
「言葉のあやじゃ」
「…はぁ~。わかったっすよ。今年もおいらのムーミン谷テーマパークで稼いだお金使っていいっすから…来年こそはこんなことないように気をつけてくださいよ。」
「さすが、わしのトナカイ。話がわかるのぉ。来年は気をつけるから。」
こうして、プレゼントが子供達の元に届く。毎年このやり取りを繰り返すサンタとトナカイであった。
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